サニタリー配管・・・サニタリー配管は、SUS304, 316の材質を主に、内・外面をバフ仕上げした、軽量で着脱が容易な、サニタリー性に優れた配管です。継手には、主に、クランプ式とユニオン継手があり、食品、化学、製薬などの関連企業で広く使用されています。最近、ガス管サイズのクランプ継手が開発され、他の継手と比較して耐圧、価格の面で変わらず、省力化の指向から採用する企業が増えています。

パッキンの問題・・・このように、サニタリー配管は、優れた配管設備ですが、クランプ式、ユニオン継手のいずれにもパッキンの事故に繋がる問題点があります。継手の締め作業の目的は、圧漏れを確実に防ぎ、管の自重と移送液の重量を支持して、振動などの外部要因に耐えさせることです。いずれも強く確実に締めることが必要です。 しかし、パッキンには締め止まりがありません。締め過ぎると、内・外側にはみ出しが生じ、ついには破損するまで締めてしまう事もあります。そこで締め加減の必要が発生します。配管には大小の管サイズがあり、圧力、振動などの原因を考慮に入れ、締め加減をする作業は個人差を生じ、指導管理の徹底は困難です。

パッキンの事故・・・締め加減を苦い経験から会得した人であっても、思わぬパッキンの事故が有り得ます。例えば、蒸気殺菌、冷却の工程で、急激な圧力がパッキンに加わり、その為にパッキンが破損する事があります。破損に至らないまでも、パッキンが押しつぶされ、弾性を失い、漏れが発生することもあります。これを防ぐために、継ぎ手部の増し締めが必要になります。しかし、締め増しの繰り返しは、次第に締めすぎと同様の結果を生みだします。その結果、管の内側にはみ出したパッキンは、老化とともに流圧に耐えなくなり、破損して移送物に混入することもあります。内側へのはみ出しは、CIPにおける洗浄効率の低下をまねき、菌の増殖の場を作ります。
 また、パッキンの「折れ曲がり」や「ずれ」に気づかない場合もあります。この種の事故は、増し締めでは対応できず、時には生産を中止してパッキンを交換しなければならないケースもあり、そのような場合は結果として生産効率と原料のロスが生じます。パッキン片の混入は、その生産ロットを廃棄処分、また最悪の場合は商品回収といった事態を招きます。この対応策として、一般的には、「作業マニュアルを作り注意を促す」「パッキンの交換時期を早める」などの対策がとられています。
 一方、パッキンメーカーでは客先の要望に応え、パッキンの硬度を高める努力をしていますが、添加剤のカーボン量の増加は加工性および弾性を失わせ、パッキンのもろさという問題が出てきます。従って硬度を増すという対応にも限界があります。

メタルガードパッキン・・・前述様々なパッキンの欠点を解消するために、内径側をパッキン、外径側をステンレス製のリングで製作したものがメタルガードパッキンです。メタル部の厚みで締め止まりを作り、パッキンのつぶし量を一定にすることにより、パッキン部が管の内径と同じ径になるように設計されています。

メタルガードパッキンの効果・・・ このメタルガードパッキンの水圧試験と使用実績から、次の効果が確認できました。
・水圧試験に置いて、パッキンに加わる外側への圧力を、メタルリングが抑える働きによって耐圧性が著しく向上。
・パッキンの締め圧は、リングの厚みによって一定化でき、締めすぎを防ぐため、反発弾性を持続して耐久性が向上。
・締め止まりがメタルタッチであるため、確実に管を固定でき、耐振性に優れる。
・継手の着脱作業にあたって、リングがパッキンを支持するため、折れ曲がり、ずれ、の危険が無く作業が容易である。
・配管設計に置いて、メタルリングの厚みが一定なため正確な設計ができる。
・メタルリングとパッキンの脱着は容易にできるため、パッキンの交換が容易にできる。(用途に合わせメタル部とパッキン部を接着することも可能です)

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 パッキンは一般的に、価格が他の設備部品に比べ安価なこともあって、軽視の傾向があります。サニタリー設備の必需部品であるパッキンは、商品、原料と直接、接する重要な役割を持つ部品であることを改めて認識していただき、パッキン事故の解消にお役に立てれば幸いです。